高津流はチャレンジからスタートだ。ヤクルト高津臣吾新監督(50)が2日、埼玉・戸田球場で行われた秋季練習を初指導。今季は主に一塁を守った村上宗隆内野手(19)を再び三塁に挑戦させ、適材適所で可能性を広げる方針を打ち出した。

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まだ夏のような日差しが降り注ぐ戸田球場で、2年目の村上がノックを受けていた。一塁ではなく、今季序盤まで守っていた三塁でだ。1日、社会人野球の東芝戦も「4番三塁」で先発した。就任2日目の高津新監督は「一塁がある程度できるのは分かった。サードができたら一番いい」。7日開幕のみやざきフェニックス・リーグに三塁で起用することを明言した。

ヤクルトの三塁は今季、村上が開幕スタメンに座ったが、守備に課題を残して太田や宮本、広岡、藤井らで回してきた。36本塁打、96打点の若き大砲が安定してホットコーナーに入れば、采配の選択肢も広がる。「ダメなら戻すし、できれば使うし。今は練習させるということ」。

オフだからこそ、可能性を決めつけない。「チャレンジはさせたい。適材適所を見つけて、当てはめてあげるのが大きな仕事の1つ。はまってくれるように」。自身も入団時の野村監督に見いだされ、先発からストッパーに配置転換されて大成した。ドラフトや外国人ら補強が出そろった後、最終的な「適所」を見極める。そのために今できるのが準備であり、練習だ。

村上も意気に感じている。まだ19歳。一塁はいつでもできる。「戻ってきたなという感じ。サードがダメだからファーストになったので、トライしようという気持ちはある。来年はサードでレギュラーが取れるように頑張りたい」。目に見える課題は取り組みがいがある。充実した表情で帰途に就いた。【鎌田良美】

◆ヤクルトの三塁手 今季は10人が守り、そのうち8人が先発で出場。三塁で最も多く先発したのは、太田の64試合だった。三塁で80試合以上先発は16年川端の100試合が最後。最近3年間、80試合以上先発した三塁手がいないのは両リーグでヤクルトだけ。