矢野阪神は「2連勝」でCSファーストステージ突破を狙う。3日は甲子園で調整。矢野燿大監督(50)はDeNAとの決戦を前に「もちろん(初戦を)取った方がいい。全部、大事やな、俺は。1戦目も勝ちにいくし、2戦目も勝ちにいく。全部、勝ちにいく。その方が面白い」と気合だ。

短期決戦は先手必勝が優位に戦う鉄則だ。「2戦目重視論」を唱える指揮官も過去にいたが、ポストシーズンで初めて指揮を執る矢野監督は貪欲。2戦先勝でファイナルステージ進出が決まる条件だが連勝突破を図る。公式戦は6連勝締めでCS進出を決めた。今後も胸突き八丁の緊迫感が漂うが、1敗もできない瀬戸際でCS切符をつかみ、自信がみなぎっていた。

「逆に(公式戦)最後の方がいい感じでプレッシャーもあった。ウチとしてはいい意味で予行練習できた部分があった。いまの俺らのチームの勢いは間違いなくいい。勢いを生かしていきたい」

矢野監督は現役時にプレーした5度のポストシーズンは、すべて初戦黒星だ。03、05年の日本シリーズ、3度のCS…。後手に回って敗退。だがいまは違う。「俺らは、挑戦するしかない。守るものは何もない。後手になる必要はない」と言い切った。敵将のラミレス監督を「本当に『ここでピッチャー代わるんか』とか、スタメンも結構読めない」と警戒するが、奇襲すら泰然自若で受け止める。

CSを2日後に控えた、この日は明るい材料もあった。左足の張りを訴えて9月24日巨人戦で途中交代して以降、別メニューだったマルテが本隊合流。投内連係、シートノックは一塁を守り、フリー打撃では柵越えも披露した。指揮官は「今日の様子見ていたら、先発という可能性も広がってきたかな」と話す。打率2割8分4厘、12本塁打の助っ人はシーズン終盤に4番で奮闘。頼もしい主軸が先発復帰すれば、前途洋々の船出に、さらにフォローの風が吹く。【酒井俊作】