故郷・米沢出身の大先輩を追う! ソフトバンク育成7位の山形中央・村上舜投手(17)が30日、山形市内の同校で指名あいさつを受け、南海で通算221勝をマークし名球会入りした右腕・故皆川睦雄投手(享年69)を目標の存在に挙げた。

今夏の山形大会では決勝で敗れて甲子園出場は果たせなかったが、左腕からのキレ味鋭い直球が高評価。支配下登録を第1歩に、皆川氏以来のシーズン30勝投手となる夢にも挑む。

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174センチと小柄な村上だが、スター街道への希望は大きかった。故郷の英雄・皆川投手の名は、野球を始めて以降、何度も耳にしてきた。「米沢からのプロ野球選手は大スター以来2人目と聞きました。地元にメッセージを送るためにも、すごかった記録を超えて、200勝やタイトルを取れる活躍をしなくてはいけない」。日本一球団で生き抜く、強い覚悟を示した。

06年に「皆川球場」と改称された米沢市営野球場でのプレー経験も多く、なじみが深い。同期の野村克也氏(84)と強力バッテリーを組み、通算221勝。68年には31勝を挙げた「最後の30勝投手」。南海からソフトバンクに変わっても、後輩になれたことに違いはない。「田中将大投手(30=現ヤンキース)が楽天の時(13年)に24勝した時も格好良いと思ったけれど、30勝はすごすぎる。今は夢みたいなものなので、実現できるようなボールを投げられるよう、現実をみてやっていかないと」。まずは体形成と、変化球の制球やキレを培うつもりだ。

同校では日本ハム石川直也投手(23)を含め、昨年の阪神4位・斎藤友貴哉投手(24=桐蔭横浜大-ホンダ)、楽天5位・佐藤智輝投手(19)らに続く7人目のドラフト指名となった。「偉大な選手が数多く出ているので、まずは試合で投げ勝つことが目標です」。プロ野球はほとんどテレビ観戦することがなかったため「打者と対戦してみないと分からない部分もあるので自分磨きが一番。3軍の試合もあって、他球団に比べてチャンスも多いので挑戦者の気持ちで頑張りたい」。ソフトバンク最下位指名から、未来のエースに名乗りを上げる。【鎌田直秀】

◆村上舜(むらかみ・しゅん)2001年(平13)11月1日、山形・米沢市生まれ。米沢南部スポーツ少年団で野球を始め、米沢五中では軟式野球部。174センチ、70キロ。左投げ左打ち。遠投110メートル。50メートル走は6秒1。家族は両親と兄。血液型AB。目標の選手は楽天松井裕樹。