新任の阪神井上一樹1軍打撃コーチ(48=元中日2軍監督)が、キャンプ初日から熱血道場を開講した。

下半身強化のボール拾いから、打撃練習では独自の練習法で高山、板山、近本らに打撃理論を注入。空が真っ暗になるまでランチを挟んで6時間近くも、ぶっ続けで指導。

ピー、ピッ。1度目の笛で足を上げて静止。2度目の笛でトス。井上コーチが握りしめる電子ホイッスルに合わせるように、横一列に並んだ選手たちがシンクロしてバットを振った。インサイドアウトを意識。笛のタイミングに変化を加えるなどカズキ流の指導を展開した。

「相手の術中にはまって打たされてますやん! っていうのは避けたい。そのために間合いを大事にしましょうねということ」。全体練習後にメイン球場で特打を見守ると、室内練習場に移動。大山、中谷、木浪らほぼ全選手と話しかけるなど自称「コミュニケーション・モンスター」をそのまま行動に移した。

暗闇の中、帰りの車に乗り込んだ同コーチは「たいしたもん。昨日、初めましてというメンバーもいるなかで、おもろいメンバーおるなって感じる。楽しみ。やりがいを感じる」と笑顔で話した。「(選手の)しっかりした気持ちを感じる」とキャンプ初日を総括した矢野監督も「いろんなアイデアで選手の気持ちを変えてくれるのも選手にとってプラス」と頼もしそうだった。【桝井聡】