【台中(台湾)4日】稲葉篤紀監督(47)率いる侍ジャパンの10年ぶり世界一への挑戦が始まる。
5日のプレミア12、1次ラウンド初戦となるベネズエラ戦に向けて、台中インターコンチネンタル球場で最終調整した。09年WBC制覇以来、世界の頂を見上げる日々が続く。指揮官として初めて臨む主要国際大会での天下取り。信条の「挑戦」を家族とも言うべきチームで貫く。
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稲葉監督は世界一への登頂アタックを目前に、信条とする言葉が口をついた。「自分がどれだけできるのかという挑戦もあるし、またみんなを世界一に導いてあげないといけないというプレッシャーもある。これだけのメンバーと野球をやれるものは、非常に感じるものがある」。学生、プロ、コーチとあらゆる立場で日の丸をまとった生粋の侍。それでも監督として初めて挑む国際大会に今までにない感情がわいた。
現況は、昔ノートに書き留めた言葉とシンクロする。黒人初のメジャーリーガーとして名を残したジャッキー・ロビンソンの言葉がある。不可能の反対は可能ではない。挑戦だ-。「本を読んでノートに書いた。誰もが行き詰まる時がある。日本ハムに入ってすぐのころ。壁に当たったんでしょうね。僕の心に刺さった言葉です」。いつまでも色あせることのない思いとして胸に染み込んでいる。
孤高の挑戦ではない。「この大会で世界一になるという選手もいろんなものを背負ってくれているし、その中には当然、家族というものもジャパンを背負ってくれていて、みんなで戦ってくれている」。シーズン中の視察時は公の場では「○○選手」と敬意を持って語尾に“選手”を付け加えた。宮崎合宿の序盤も取材対応時は“選手”は抜けなかったが、終盤から突然、変わった。「セイヤ(鈴木)」「ソウスケ(源田)」「キク(菊池涼)」。ともに戦う家族としての意識が、公然の前でも自然な呼び名を言うようになった。
10月28日の沖縄合宿初日には山口を呼び寄せ、開幕戦となるベネズエラ戦の先発を伝えた。「こういうことは緊張感があるときに伝えた方が、しっかり調整してくれるのではないかと、建山コーチとも相談して伝えた」。信頼の置く家族に、世界一への初陣を託した。「これまでたくさん準備をしてきたけど、いよいよ始まるなと。当然ファンの方、家族のためにも、みんなで世界一を取って明日からしっかりやっていきます」。挑み続けることの先に、可能が現実になる。【広重竜太郎】



