百獣の王に俺はなる。巨人育成ドラフト2位のBC武蔵加藤壮太外野手(21)が16日、埼玉・熊谷市内のホテルで仮契約。支度金200万円、年俸240万円でサインした。

獲物を狙う目がぎらりと光った。「1日でも早く支配下に上がりたい。足が売りなので、打撃も磨いて、糸井選手みたいになりたい」。188センチ、91キロ。鍛え上げられた肉体と整った顔立ちは「百獣の王」武井壮似。50メートル5秒8の俊足で、今季のBCリーグでは29盗塁を記録した。「試合では対戦する投手から、いいイメージだけを持って打席に入る。盗塁も投手の雰囲気とかクセを感じる意識を持って、行く」と抜群の嗅覚を武器に仕留めてきた。

飢えた心で結果を求めてきた。「プロ野球選手になりたい。1年1年、勝負したい」と中京学院大中京から進学や社会人の道を選ばずに独立リーグ入り。「自炊してました。でも偏りがちで」と慣れない手つきで豚肉ともやしを炒め、NPB入りを夢見て白米をかき込んだ。3年目で育成選手として巨人入りの切符をつかみ「ハングリー精神は誰にも負けません」と胸を張る。

猛者を押しのけて、のし上がってみせる。来春のキャンプは1軍から3軍まで宮崎で実施。育成選手も原監督に直接視察してもらえる可能性がグンと高くなった。「ニュースで知って、やる気になりました。練習態度から目立つように」と背番号「006」を誰よりも大きく見せるつもりだ。

「一番対戦したかったのは菅野選手ですけど、パ・リーグのパワーピッチャーを打てるような選手になりたい。千賀選手や則本選手。球界を代表する投手を簡単に打てるような選手になる」と目標は高い。支配下昇格、1軍定着、そしてセ界の王者。弱肉強食の世界を勝ち抜き、頂点に立つイメージがある。【島根純】