プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る19年」を連載します。プロ野球を球団別に12回連載。続いて日本人大リーガーを取り上げます。第3回は中日。

 ◇  ◇  ◇

中日は失策が少なかった。15年はリーグ最多の94失策を記録したが、16年66個→17年57個→18年52個と年々減り、今季は通算5373守備機会で45失策の守備率9割9分2厘。1試合に2失策が6度で、3試合連続失策は4月28~30日の1度だけだった。シーズン守備率のプロ野球記録は17年ソフトバンクの9割9分3厘で、今季の中日は歴代3位。守備力向上に加え、グラウンドや道具が良くなり、チームの守備記録は90年以降の球団が上位を占めているが、セ・リーグでは04年中日の9割9分1厘を抜く守備率の新記録で、失策も04年中日に並ぶセ・リーグ最少タイ記録となった。

失策の内訳は悪送球の22個が最多で、個人最多は京田の9個。守備位置別では京田が9失策、堂上が1失策を記録した遊撃手の10個が最も多かった。守備位置別の最多失策が10個以下は、三塁手が10個の17年ソフトバンク以来2度目で、セ・リーグのチームでは初めてになる。失点につながった失策は15個だったが、直接走者をかえした適時失策は高橋3個、加藤2個、ビシエド1個、堂上1個、平田1個、伊藤康1個の9個しかなかった。

失点につながる失策が少なかった中日はチーム自責点が525点に対し、失点は今季両リーグ最少の544点。失策や捕逸が絡んだ失点は自責点とはならず、失点から自責点を引いた「ミス失点」はわずか19点。今季のミス失点は広島の77点が最多で、12球団のうち10球団が40点以上。これまでミス失点が最も少なかったのは、シーズンが31試合しかない36年秋のタイガースと11年ソフトバンクの20点。最高守備率をマークした17年ソフトバンクでも26点あり、ミス失点が20点未満は初めてだ。ゴールデングラブ賞に選ばれたのは三塁手の高橋と外野手の大島だけだったが、中日が球史に残る堅い守りを見せた。【伊藤友一】

▼5位中日は13年から7年連続Bクラスとなり、両リーグでCS出場から最も遠ざかっている。チーム打率はリーグ1位の2割6分3厘だったが、得点はリーグ5位の563点。得点が少ない原因はリーグ最少の90本塁打とリーグ最少の349四球。1265安打はリーグ最多も、「安打+四死球」の出塁数はリーグ最少の1662だった。今季はスコア1-2が5試合、1-3が5試合、2-3が9試合など、3失点以下に抑えた試合で両リーグ最多の24敗を記録。同ケースでは阪神18敗、DeNA12敗と、3失点以下の黒星が少なければAクラスだった。