外野手が、投手になって光り輝いた。オリックスの張奕(ちょう・やく)投手(25)だ。昨年8月8日の日本ハム戦に先発し、6回を1失点に抑えて初勝利を挙げた。育成ドラフト出身の野手が、投手となって勝利するのは初めてのこと。こんな選手を「二刀流1人時間差?」と表現する。

投手でデビューし、野手に転向するケースはある。張はそんなコースをただ1人「逆走」する。1年目の17年は打者としてウエスタン・リーグに出場し、66打数6安打の打率9分1厘。翌18年は7打数無安打の時点で、とうとう「投げ出した?」。この夏、投球練習を開始した。

昨シーズン後には、プレミア12に台湾代表として出場した。「投手(当初?)の予定にはなかった」選出ながら、プエルトリコ、韓国戦に先発してともに勝利を挙げた。13回2/3を無失点。大会のベストナイン(先発投手部門)に選出されている。

昨季は2勝4敗の成績だった。球団では張奕の登録名を、発音通りに「ジャン・イー」とする案が浮上しているという。ローテーション入りが期待される今年「ジャン・イーって、いーじゃん」の声を聞きたいものだ。【米谷輝昭】