己に勝つ! 阪神大山悠輔内野手(25)が7日、使用解禁日となった兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で早速始動した。不動の主軸への成長が期待される20年。「まずは自分にしっかり勝つこと」と新年の誓いを立てた。

寒風吹きすさぶ中、黙々と1人ランニングを開始した。室内練習場では当たり前のように打撃マシンを打ち込み、最後は厳しい表情のままウエートルームへ。その一挙手一投足から、プロ4年目に懸ける覚悟がにじみ出た。

開幕から4番を105試合任された19年は過去となった。新助っ人ボーア、サンズに来日2年目のマルテに…。誰の目にも激しい三塁、一塁争いに身を置く今季、矢野監督からかけられた言葉を心の支えにする。

「『比べるのは昨日の自分』とずっと言われてきた。1年間は長いけれど、まずは昨日の自分に少しでも勝てるように1日1日レベルアップしていければ。その積み重ねが1年後、結果につながる。1日1日を大事にしていきたい」

年末年始は地元の茨城を拠点に自主トレを続けた。「オンとオフの切り替え」を意識しながら、体を休ませる時間、テレビ視聴の時間さえも脳裏の片隅に「野球」を忍ばせたという。

「私生活の中でも(野球への)ヒントは少なからずある。ただ過ごすのではなく、こういうのも取り入れてみたらこうできるんじゃないか、とか…」

視野を広げ、心身ともに引き出しを増やし、己を磨き続ける。勝負の1年へ、1日たりとも無駄にはできない。【佐井陽介】