楽天の新人合同自主トレは15日、第2クールに突入し、ドラフト6位の滝中瞭太投手(25=ホンダ鈴鹿)が、初めてブルペンに入った。

館山2軍投手コーチ、星2軍バッテリーコーチらが見つめる中、捕手を立たせて直球のみ30球を投げ込んだ。「まだ60パーセントぐらい。スパイクを履いての投球は久しぶりなので、そのへんの感覚のチェックはしっかりできた」と、大卒社会人出身らしく、落ち着いた表情で試運転を振り返った。

ルーキーでは最年長となる。「しんどい練習もありますけど、すごく充実した練習ができている。でもランニング、体力系は高校生にかなわないと、ひしひし感じていますが」と苦笑い。それでもマウンドに上がれば頼もしい。最速152キロ、180センチ、93キロと存在感抜群の右腕は、先発、中継ぎ、抑えと役割にはこだわらない。「必要とされる所で投げられれば。(役割を)限定しちゃうともったいないですからね。チームのニーズに合わせて自分を変えていければ」。昨季、中継ぎから先発までこなした石橋のごとく、馬車馬のように働く意気込みだ。

この日は朝から雪が降り続いていたが、地元の滋賀県高島市はスキー場もある降雪地域とあって「こんなもんかという感じです」と新天地への順応も速い。14日に、仙台市内の商店街で行われた新入団選手お披露目・壮行会で、愛称に「タッキー」を希望すると、お約束で? ファンからブーイングが起こった。「『本物』がおられるので、賛否はあると思いますが、滝と付く人はだいたいそう呼ばれますし…」とやんわりながらも譲るつもりはない。「しんどい時、きつい時にチームを救えるピッチャーになりたい」。フル回転の活躍で、「楽天のタッキー」を野球界に浸透させてみせる。【野上伸悟】