最強ボディーでキャリアハイじゃ! 広島野村祐輔投手(30)が17日、2年連続で地元の岡山・倉敷市内で行う自主トレを公開した。明大時代から師事するトレーナーの指導の下、過去最高の88キロまで増量。昨季6勝に終わった悔しさをバネに、16年に記録した16勝超え、防御率1点台を目標に掲げた。

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鍛え上げられた太く頑強な太ももが、今年に懸ける野村の覚悟を物語った。最長約80メートルのキャッチボール、室内練習場で約10メートルを往復しながらゴロ捕球するペッパー、重りを持ち両足を前後に開くランジ、5リットルの水が入ったパイプを使いバランスを保ちながら体を捻転させるなど、強く、柔軟性のある「1年間戦える体」を求め、汗を流し続けた。

野村史上“最強ボディー”を手に入れつつある。リーグ3連覇から昨季チームは4位に沈んだ。「早く終わってしまったので、自分を見つめ直して鍛え直す時間があった」。ウエートトレーニングの重りを増やすなど例年より強度を上げた。スピードは維持しながら、体重は3キロアップ。自身最高の88キロまで増量した。「昨年の自主トレの最後にやっていたことが今年のスタートでできている」と順調ぶりをうかがわせた。

昨秋から投球時の無駄をなくしたフォーム改良にも取り組む。「今まで大きく投げたいという意識でやっていて、余計なところまで大きくなってしまった。狙ったところに投げられず、ずれることがあった」。より縦への推進力を出すため、横へのブレをなくす意識を継続している。

目標はキャリアハイだ。「毎年思っているんですけど、今までのキャリアの中で一番の成績を出したい」。16年に記録した16勝超え、新人だった12年以来となる防御率1点台に照準を定めた。昨年は6勝5敗だっただけに「チームの勝利に全く貢献することができなかった。その悔しさを忘れずに今年1年間、カープが優勝できるように頑張っていきたい」と巻き返しを誓った。ハードに鍛錬を重ねた体で、1年間戦い抜いてみせる。【古財稜明】

○…野村は大学の後輩ドラフト1位の森下のサポート役も買って出た。「自分も1学年上に前田健太さんがいて、すごく話しやすい先輩でしたし、いろんなことをアドバイスいただいた」。年末には明大野球部の善波前監督から「森下のことを頼むぞ」と直接言われたことを明かし「彼が聞きたいことがあれば、アドバイスなりできたら。良い手本になれる先輩でありたい」と責任感をにじませた。