異例の大抜てきだ! 阪神の2年目片山雄哉捕手(25)が1軍未経験ながら、1軍キャンプのメンバーに入った。「チャンスを与えてもらえたのはすごくうれしい。まだまだ1軍に見合う実力がないので、成長していかなければいけない」。虎の元気印が、キャンプ地の沖縄・宜野座をさらに熱くする。

独立リーグのBC・福井から育成契約で入団し、1年目で支配下登録をつかんだ。2軍戦では4番も任されるなどパンチ力ある打撃が持ち味で、最大のアピールポイントは「元気」だ。昨年の秋季キャンプでも、人一倍大きい声は目立った。練習メニューで「オレを見てくれ!」と言わんばかりの積極性で猛アピールし、首脳陣の心をガッチリつかんだ。井上打撃コーチからは「おとなしめのメンツがいる中で貴重な素材。一家に1台だね。2台あるとうっとうしいけど」と、ジョークを交えて存在感を評価。今回の1、2軍メンバー振り分けで藤井バッテリーコーチから相談を受けた際にも「あいつは必要」と進言したという。

1軍のスタートラインに立ったが、ここがゴールではない。次はサバイバルが待っている。「明るさや元気の良さだけでは1軍で活躍できない。これまで以上に、結果にこだわって」。立場は挑戦者。練習にノルマは設けない。「やれるだけやる。誰にも負けないぐらいの練習量で。常に自分がギリギリの中で戦えるように」。正捕手梅野に対しても「チャンスをもらったからには超えるつもり」とそこまでも鼻息は荒かった。

近本や大山らと同学年の「94年組」の1人として「ようやく一緒のスタートラインに立てた。ワクワク、楽しみの方が多い」と満面の笑み。大ブレークの予感をプンプン漂わせた。【奥田隼人】

◆片山雄哉(かたやま・ゆうや)1994年(平6)6月18日生まれ、愛知県出身。刈谷工では甲子園出場なし。至学館大短大を中退し、BC・福井へ。18年育成ドラフト1位で阪神に入団。1年目の昨季は2軍で4番を8試合任されるなど成長を見せ、7月30日に支配下選手へ昇格した。177センチ、83キロ。右投げ左打ち。