徳勝龍関、頑張ります! 阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18=履正社)ら新人選手が30日、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で新人合同自主トレを打ち上げた。

井上はロングティーで豪快に8発締め。大相撲初場所で優勝した阪神ファンの徳勝龍(33=木瀬)が、「推しメン」に自らの名を挙げていたことに発奮。高知・安芸の春季キャンプでは早ければ、第1クール途中から全体練習に合流予定。期待のスラッガーがピッチを上げた。

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ゆったりとリラックスしたフォームから放たれる打球は、次々に外野後方へ飛んだ。井上が豪快な打撃で新人合同自主トレを締めた。「ミスショットというのも少なくなって、だいぶ、きれいに打球も上がるようになっている」。3日連続となるロングティーで、40スイング中8本が柵越えした。昨年11月の右足首捻挫の影響で一部別メニューが続いているが、打撃中の右足の違和感は「全然ないです」ときっぱり。経過は順調な様子だ。

プロ初のキャンプを高知・安芸で迎える。若きスラッガーには、発奮材料があった。28日朝、井上はいつものように選手寮・虎風荘に置いてある新聞に目を通した。すると1面に自分の名前が載っている。今をときめく徳勝龍からの“推しメン”指名だった。「びっくりしました…」。大相撲初場所で優勝を果たした徳勝龍は阪神ファン。注目選手に井上を挙げていた。

角界からの予想外のエール。「今まで野球界の方や、自分に関係のある方からしか言われたことがなかった。違うスポーツの方からほめていただけて、『のびしろがある』ということを言ってもらえると、自分も頑張ろうという気持ちにもなります」。周囲の期待を全て、大きなパワーに変えるつもりだ。

右足首の状態次第で、早ければ第1クール中にも全体練習に合流する見込みだ。「技術はもちろん全然足りないというか、全然追いついてない部分もたくさんあると思う」。優勝力士が一目置くパワーを武器に、将来の4番候補がキャンプインからペースを上げていく。【磯綾乃】

◆徳勝龍の井上発言VTR

大相撲初場所で、幕尻として20年ぶり史上2度目の優勝を果たした平幕の徳勝龍(33=木瀬)は大の阪神ファン。自身も小学2年から6年まで野球をしていた。 優勝一夜明けの会見で、今季の注目選手を問われると「(1軍の)試合に出られるか分からないですけど、ドラ2の井上選手です。あの打球はやばい。すごいです」と絶賛。甲子園で履正社が優勝した昨夏から“井上推し”で「1人だけ、すげー体してると思いました」と熱っぽく話した。