西武の「二刀流左腕」ショーン・ノリン投手(30)が2日、来日初のブルペン入り。上手投げとサイド気味を使い分け、40球を投げた。

身長193センチの上手投げが、突如左腕を下げた。新加入のノリンがキャンプ2日目に来日初のブルペン入り。30球を過ぎるとサイド気味に投げ始めた。試合の中で変幻自在に高さを変える二刀流がベールを脱いだ。全持ち球を投げ「すべての球種を両方で投げられる。真っすぐも変化球もしっかり投げられた」と手応えをつかんだ。

二刀流は苦悩の末にたどり着いた。メジャーデビューは13年。15年に通算324発カノ(マリナーズ)から初三振を奪った。だが通算8登板1勝3敗、防御率6・89にとどまり「メジャーで150キロ、160キロ投げる選手はたくさんいる。自分はそんな速い直球を持っているわけではない。考えた上で投げる位置を工夫した」。17年に左肘にトミー・ジョン手術を受け、復帰後から着手。昨季本格的に導入した。

腕を下げれば投球の幅は自然と広がる。球を受けた森も「今までにいない。(上と横で)軌道が全然違いますよ。器用な選手ですよね」と驚きの声を上げた。球種は最速149キロの直球とカーブ、スライダー、チェンジアップの4つだが、軌道が変わればパターンは倍。基本は上手投げで、ノリンは「どういう打者が立っているかによって、試合の中で状況によって使い分ける」と8手の使い手は打ち取るイメージをした。

昨季12勝右腕・ニールから「打者を研究した上で自分を修正することが大事」と助言を受けたノリン。「今は90%くらい。実戦の中で気づいたことを吸収していきたい」と、海を渡った二刀流が先発ローテに名乗り上げる。【栗田成芳】

◆ショーン・ノリン 1989年12月26日、米国ニューヨーク州シーフォード生まれ。ドラフトでは計3度指名され、10年にブルージェイズから6巡目で指名されて入団。13年にメジャーデビューし、通算8試合、1勝3敗、防御率6・89。昨季は6月にマリナーズとマイナー契約。3Aで15試合に投げ、6勝4敗、防御率4・76。今季推定年俸6000万円。193センチ、113キロ。左投げ左打ち。