楽天久米島キャンプは2日目を迎え、3年ぶりに日本球界に復帰した牧田和久投手(35=パドレス)が、2日連続でブルペン入りし100球を投じた。経験豊富な右のベテランサブマリンが、新勝利の方程式で重要なピースを担う。

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気付いたら100球になっていた。牧田は日本のマウンド、ボールに順応するため、1投たりともムダにしたくなかった。「1球1球、体のバランスや感覚がずれたりするのがわかる人なので」。前日のキャンプ初日も20球前後の予定が49球に。この日は連投にもかかわらず、微調整を繰り返しながら投球を続けた。

戸惑いのもとは2点ある。「マウンドの柔らかさとボールの感触ですね。投げていくうちに納得できない部分がいっぱい出てきたので、納得するまでやろうかなと」。日本のボールは、滑りやすい米国に比べてしっとりしているため、直球には力を伝えやすい。逆に変化球は「チェンジアップやカーブなどはうまい具合に抜けやすかったんですけど、日本だと引っかかりすぎてなかなかコントロールできなかった」とチェックポイントを口にした。

米国では練習から投球日や球数を厳格に決められ、納得のいく調整ができなかった。「基本的にはキャンプで投げて投げて仕上げていくので、これだけ投げられているのはいい感じですね」と手応えを口にした。

昨季、主にセットアッパーを務めたフランク・ハーマン(35)がロッテに移籍、守護神松井裕樹(24)が先発転向となるなど、ブルペン陣の再編が求められる。牧田の獲得を熱望してきた石井GMは中継ぎでの起用を構想している。サイドハンドの左は高梨雄平(27)がいるが、右では貴重な変則タイプとなる。シーズンでの連投も想定し、今キャンプでは毎日ブルペンに入るつもりだ。「練習試合はいつ投げるのかは聞いているので、それを逆算しながら調整しています」。先発、中継ぎ、セットアッパー、クローザー、そして日米を経験したサブマリンが、昨季3位からの浮上を狙う楽天のキーマンとなる。【野上伸悟】