阪神育成ドラフト1位の小野寺暖外野手(21=大商大)が9日、2軍安芸キャンプのシート打撃で「プロ1号弾」を放ち、今季初実戦となる11日JR四国戦(安芸)のスタメンデビューをたぐり寄せた。

牧に対して3ボールから4球目。内角高め速球をとらえると軽々と左翼を超えた。実戦形式ではこれが初アーチ。フリー打撃も含めればプロ投手との対戦は4発目で、また株を上げた。

平田2軍監督は「3ボールから1発で仕留めるのは見事。(11日も)使わざるを得ない。そのつもり」と高評価だ。前日8日もシート打撃で高野から中前打。和田TAに下半身重視の打撃を説かれてから打撃は安定しており、好調を維持している。それでも小野寺は「1打席目と3打席目のアウトのなり方がよくない。明日もしっかりアピールしたい」と引き締めた。

キャンプ早々から存在感を示す。8日の練習前は声出しで笑いを誘った。「平田監督に『ルパン』と命名していただいたにもかかわらず、もみあげをそってしまい、すみませんでした」。前夜まで同期の小川と風呂で20回練習する、念の入れようだ。打ってよし。しゃべってよし。支配下登録を勝ち取るべく、攻め手を緩めない。【酒井俊作】

◆は(おのでら・だん)1998年(平10)3月17日、奈良市生まれ。左京小2年から奈良リトルで野球を始め、平城東中では南都ボーイズに所属。京都翔英で高校通算20本塁打も甲子園出場なし。大商大では3年春に18打点を挙げ、4年春は打率5割の首位打者で、いずれもMVP。リーグ戦通算5本塁打。183センチ、82キロ。右投げ右打ち。家族は母と兄。