中日は27日、名古屋市内で球団の決算取締役会を開き、白井文吾オーナー(92=中日新聞社会長)が3月25日の株主総会をもって退任し、名誉オーナーに就任することを内定した。

大島宇一郎オーナー代行(55=中日新聞社社長)が新オーナーに就任し、大島宏彦名誉オーナー(85)は退任する。

白井オーナーは00年3月に就任。03年オフ、落合博満氏を監督に招き、04年からの8シーズンで4度のリーグ優勝、07年には53年ぶりの日本一になるなど黄金時代を築いた。同オーナーは「20年という節目を迎え、交代するには最良のタイミングと判断しました。平成から令和に時代が移り、初の開幕を迎えます。新しい時代には新しいオーナーで臨むのがふさわしいと考えています。現在、ドラゴンズは成績が低迷していますが、新しい体制の下、チームが一丸となり必ず復活してくれると期待しています」と球団を通してコメントした。

オーナー就任後は星野仙一監督、山田久志監督らとともに常勝チームの土台作りで尽力し、その後の落合体制で黄金期を迎えた。近年は7年連続Bクラスと低迷が続いていた。

矢野球団社長は「長い間オーナーをしていただき、優勝して日本一にもなった。いい時代を築いていただいた」と功績に感謝した上で、「年齢的にも90歳を超え、後進に道を譲られるということ」と説明した。

○…白井オーナーが最も印象深いシーンに挙げたのは、07年に53年ぶりの日本一を決めた山井-岩瀬の「完全試合リレー」だった。「大きな反響を呼び、プロ野球ファンの記憶に深く刻まれました。地元・名古屋で決めた日本一に心から感謝するとともに、球場に広がった歓喜のテープを見て胸がいっぱいになりました。黄金期を築いた選手たちの魅力あふれるプレーが思い出されます」とコメントした。

◆白井文吾(しらい・ぶんご)愛知県出身。旧制静岡高校から、中部日本新聞社(現中日新聞社)入社。名古屋本社編集局長や副社長などを歴任し、97年3月に社長に昇格。00年3月に球団オーナーに就任した。