ソフトバンクの新助っ人、ウラディミール・バレンティン外野手(35)が1日の阪神戦で本拠地ペイペイドームのチーム1号を放った。

「名刺代わり」の1発は強烈すぎる弾道だった。孫オーナーの肝いりで作られたテラス席を見下ろし、打球は左中間スタンド中段に突き刺さった。推定130メートルのオープン戦初アーチ。初回に巡ってきた2死一塁の1打席目。初球130キロのスライダーに体が反応した。「サイコー! 完璧だった。最高の気分だよ」。普段なら大観衆の歓声に包まれたはずの本拠地初弾も、無観客試合のため「ファンがいるのといないのでは気分が全然違う」と言いながらも、パトカーのように「ピーポーピーポー」とパフォーマンスも披露した。。

調子は上がってきた。4回先頭打者で四球を選ぶと、続く松田宣の右翼線二塁打の打球に一塁から巨体を揺らして一気にホームイン。宮崎キャンプから続ける積極走塁を怠ることはなかった。「走塁もよくできた。こういうプレーを続けていくことは大事。いい走りだった」と自画自賛した。頼れる新4番の1発と積極走塁に工藤監督も称賛だ。「すばらしい。1発もいいけど、一生懸命な走塁を評価してあげたい」。新型コロナウイルスで先行きが見えない中、バレンティンはしっかりと開幕に仕上げている。【佐竹英治】