今年も育成の星が誕生した。ソフトバンクは16日、ともにプロ3年目で育成選手の尾形崇斗投手(20)、リチャード内野手(20)と支配下選手契約を結んだ。背番号は尾形が「39」、リチャードは「52」に決まった。ともに推定年俸は600万円。

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リチャードは「ムネリン魂」を胸に世界一の打者を目指す。ペイペイドームでの記者会見。新しい背番号52のユニホームを目の前にしてうれしそうに意気込みと、先輩との縁を語った。

「52番は元々川崎さんがつけていた背番号。ムネさんは台湾ウインターリーグの時に差し入れでチキンをもらったりしていた。『リチャード専用』というチキンもあったので、おもしろい人だなと思っていた」

昨秋に参加した台湾でのアジア・ウインターリーグには、台湾・味全で選手兼コーチだった元ソフトバンクの川崎宗則氏も出場。リチャードが所属した「NPBレッド」を率いたソフトバンク藤本3軍監督の紹介で話す機会をもらった。「あいさつをしたら『よろしく、よろしく、よろしく』という感じでめちゃおもしろいと思った。3分くらい話しました」。明るい人柄に触れ、尊敬の念を抱いた。「自分もそういう愛されるような人になれたらいいなと」。目標に掲げた。

右の強打者として春季キャンプを1軍で完走し、オープン戦で2本塁打。力で支配下登録をつかみ、今後は世界一の打者を目指す。「チームが苦しい、ここで1本ほしいときに長打とか本塁打を打てるようなバッターになりたい。世界一を目指している球団なので、世界一のプレーヤーになれるように頑張りたい」。

球界屈指の育成球団として千賀、甲斐らを排出してきた。17年育成ドラフトからの支配下昇格はすでに大竹、周東がおり、尾形も合わせて4人となった。「まずは1本。1本打ったら2本、3本と打てるように」。新たな育成の星としてリチャードがこつこつと、愛される大砲を目指していく。【山本大地】