阪神が27日、藤浪晋太郎投手(25)伊藤隼太外野手(30)長坂拳弥捕手(25)の3選手が新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査で陽性判定を受けたことを公表した。

いずれも26日深夜に判明。日本野球機構(NPB)の選手の感染判明は初のケースとなった。揚塩健治球団社長(60)がこの日の午後、甲子園室内練習場で会見を行って発表したが、チームの活動停止期間がさらに延びる可能性もあり、非常事態が収まる気配は見えてこない。

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阪神揚塩球団社長は藤浪のPCR検査に至った経緯や本人とのやり取りも詳細に語った。

「もともと嗅覚、コーヒーのにおいがしないとか、彼(藤浪)がそういうことでトレーナーに報告してくれました」。藤浪は21日ににおいを感じにくいなどの自覚症状を覚え、24日に嗅覚の異常に関して申し出て兵庫県内の病院を受診。25日に再度兵庫県内の別の病院で受診し、PCR検査が必要との連絡がドクターから連絡があったという。そして26日に大阪府内の病院でPCR検査を受けた。

「嗅覚、味覚の障害というのは報告事項には上げていなかったんですけど、彼はそれを何か異常があるのかなということで、ある意味勇気を持って球団にも報告してくれて、我々も医院を紹介して情報を共有したというのが今回。彼はその時点でコロナの感染を疑ったわけではございません」

さらに揚塩社長は「PCR検査を受けることを発表するにあたって、藤浪くんに相談をしましたら、実名を報道して下さい、と。今まで情報になかった嗅覚、味覚の異常というものに対しても万が一、そういうことが起こるということを多くのファンの方、多くのみなさんにこういう初期症状もあるということを分かっていただく機会にもなるんじゃないかということを彼も言いまして『実名でこういう症状で検査を受けるということを言っていただいて結構です』ということでした」と話していた。