ソフトバンク中村晃外野手(30)が4日、チームに感じる手応えを明かした。ペイペイドームでの自主練習後にオンラインで取材対応。コロナ禍の影響でチームの自主練習は約1カ月が経過しようとしているが、「前を向いてできている」と選手会長の立場でコメント。開幕が見えない中でも、4年連続日本一を目指し、全体が高い意識で取り組んでいると代弁した。

先月9日、現在の形での自主練習がスタートした頃は手探りだった。「最初はやり方とか話し合ったりしましたが、今はみんな自分の流れができている。うまく回せています」。それぞれが制限の中でできることを考え、与えられた環境を最大限に生かすことができるようになってきたという。

中村晃自身は「自主トレで使う器具をドームから持って帰って、家にスペースを作っています」と“おうち時間”もフル活用。この日は取材予定時間の直前までペイペイドームで階段ダッシュを繰り返し、汗だくの姿でカメラの前に現れた。「どこに向かっていくかまだはっきりしていないので、やりづらさはある。その中でも1人1人、しっかり前を向いてできている」と、チームとして見えない目標へ自らを追い込むことができているようだ。

自主練習は、当初の緊急事態宣言の期限だった6日までを一区切りとしていた。だがこの日、5月31日までの延長が発表され、さらに自主練習期間が続く可能性が高まった。「僕らは今みたいに準備していくだけ。開幕日が決まればみんなのスイッチも入る」。王者は苦境でも、泰然自若で爪を研ぐ。【山本大地】