白球は、青空へ届きそうな大きい弧を描いて無人の青い左翼スタンドへ届いた。ヤクルトの高卒2年目浜田太貴外野手(19)の豪快なスイングから放たれた、乾いた打球音が静かな神宮球場に響き渡った。

チーム練習再開後、2度目の紅白戦。2回2死、開幕投手に決定しているベテラン左腕石川の初球134キロ直球をとらえた。試合後、オンライン取材を通じ「投手に合わせないこと、自分から仕掛けていくことを心がけた」と振り返った。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ハイタッチは“エア”。それでも「目を合わせてイエイ、イエイするのであんまり変わらずに。ハイタッチをしなくても、通じ合いました」と笑顔で振り返った。

自主トレ期間も、練習量は落とさなかった。連続ティー50球以上などのノルマを自らに課し、毎日バットを振った。高津監督らコーチ陣もマスク姿で指揮をとる中で、今までとは違う手応えのある1発だ。試合後には、31日から1軍合流の吉報も手にした。将来の右の大砲として期待がかかる。初の開幕1軍へ「このまま残って、1軍で多くの試合に出て活躍したい」と力強かった。【保坂恭子】

◆浜田太貴(はまだ・たいき)2000年(平12)9月4日、福岡県生まれ。明豊では2年夏に甲子園8強入り。高校通算45本塁打。18年ドラフト4位で入団。昨季はイースタン・リーグで8本塁打52打点。9月25日中日戦(ナゴヤドーム)で1軍初出場、初スタメン。