左膝膝蓋(しつがい)骨骨折から完全復活を目指す日本ハム上沢直之投手(26)が、開幕ローテ入りの可能性を広げた。

昨年6月18日DeNA戦(横浜)以来、350日ぶりの実戦登板は先発で2回4安打2失点。49球でも試合後は「いやぁ疲れましたね。集中して投げるのが久しぶり。頭も疲れるなって感じがした」。充実の疲労感が、歩くところから始まったリハビリを経て、たどり着いたマウンドの重みを実感させた。

最速は144キロ。変化球もスライダー、カットボール、カーブ、フォーク、チェンジアップを投じた。「変化球は大丈夫」と手応え十分。課題は真っすぐに見いだした。「浮き上がるような、きれいな真っすぐを低めに投げられるようにしたい」とポイントを絞った。踏み出す左膝の大ケガによって投球フォームが低く沈められずに「左膝が早めに伸び上がっちゃう感じ。もうちょっと低く入って、より前で投げたい。そして、無意識に投げられる状態にしたい」と前を向いた。

上沢の実戦復帰はチームにとっても大きい。有原、杉浦、金子、加藤、マルティネスらの先発陣に加われば、過密日程となるシーズンでも層の厚い布陣で戦える。栗山監督も「ちょうど開幕が、あの事故から1年のところに設定された。そこへ向かって頑張ってマウンドに上がれる状況。導かれるということ」と開幕ローテ入りを示唆。上沢も「ある程度、投げられるのは見せられた。普通に(登板)回数を重ねていけたら(開幕から)投げられるかな」。完全復活への道筋を完全に視界に捉えた表情は、明るかった。【木下大輔】

▽日本ハム木田投手コーチ(実戦復帰した上沢に)「点は取られたけど、久しぶりの対外試合にも関わらず、バランスよく投げてくれていたのでよかったです。このままのバランスでシーズンに入ってくれれば問題ないと思います」