B砲打てば打線も爆発だ。阪神新外国人のジャスティン・ボーア内野手(32)が、2戦連発の特大アーチをバックスクリーン左横席にたたき込んだ。練習試合広島戦(甲子園)に4番一塁で出場。同点の6回に一岡のフォークを捉え、逆方向に勝ち越し2ランを放った。勢いづいたチームは、この回8安打7得点の猛攻で10得点大勝。実戦18試合44打席ノーアーチだった4番の2戦連続V弾で2連勝、開幕G倒へ勢いづいた。

   ◇   ◇   ◇

打った瞬間、ボーアは確信していた。乾いた打球音が、無観客の甲子園に響いた。「2ストライクと追い込まれていたけど、うまく対応できてセンター方向にいい打球が打てたよ」。打球は大きな弧を描いて、バックスクリーン左横のスタンドに着弾。特大の勝ち越し2ランを放った。不振にあえいでいた姿がウソのよう。前日の練習試合再開初戦から会心の2戦連続V弾。これぞ4番の働きだ。

2-2で迎えた6回無死二塁の第3打席。フルカウントから広島3番手、一岡の甘く入った134キロフォークを逃さず仕留めた。前日2日には実戦18試合、45打席目で待望の来日1号を右翼席へ放ったが、この日は逆方向へパワーをサク裂。「ホームランという意味ではライトであろうとセンターであろうとしっかり強く打てていると思う」。表情にも自信がみなぎった。

試合前練習でも打撃投手に外角の球を要求して、逆方向に打つ意識を徹底していた。「調子がいい時はグラウンドを広く使えている。バッティング練習の中でもそれが意識してできていることはいいことだと思う」。B砲の1発で打線は勢いづき、6番の43歳福留もバックスクリーンにたたき込むなど、この回一挙8安打7得点のビッグイニング。4番が打てばチームも乗る。7回には江越にも1発が飛び出すなど、3発10得点で2連勝を呼び込んだ。

マイブームは口周りのひげを伸ばすことと明かした。「取り組んでいるところ。シーズンに向けてそるのか、伸ばすのか。シーズンが始まってからしっかり決めたいね」。伸ばして2戦連発。2回の第1打席でも、右翼フェンス直撃の痛烈な安打を放った。「5打数5三振だったらそると思うよ」と口もなめらか。このまま打ち続ければ、どんどん色濃いひげ面に? ひげの濃淡が、好不調のバロメーターになるかもしれない。

いよいよメジャー通算92発の本領発揮だ。矢野監督も「やっぱりホームランというのは流れ変わるし、中心バッターなんでね」と笑顔。ボーアも「自分でもどんどん良くなっていると思うよ」と手応え十分だ。4番のお目覚めで、開幕G倒へ視界良好だ。【只松憲】