大抜てきの経験を、糧とする。日本ハム野村佑希内野手(19)が、高校時代を過ごした埼玉で「8番三塁」でプロ初出場。再開後の練習試合で中田、大田と並ぶ3本塁打を放ってつかんだチャンスだったが、期待の打撃で2打数無安打1三振に終わり、ラッキーボーイにはなれなかった。

先発出場を告げられたのは、この日の練習前だった。「可能性としてあるかなと思ってはいたんですけど、いざ言われると一気に緊張感が出て来ました」。10代での開幕戦初スタメンは、球団では13年大谷(エンゼルス)以来の大抜てき。それでも「できることを、しっかりやればいい」という先輩たちの励ましに背中を押され、グラウンドに上がる頃には緊張も消えていた。

守備では1回、先頭打者のゴロを落ち着いてさばき「最初に(打球が)来てくれたおかげで、少しリラックスできた」。難しい判断を迫られた打球にも、浮足立つことはなかった。「余計なことをするより、しっかりやれることをやろうと思っていた。今日の反省点を次に生かしたい」。技術不足は認め、最善を尽くす強心臓。大人びた表情を見せる19歳には、大器の予感が漂っていた。