3連覇へ続く1勝目は、4番の“1発”から始まった。西武は4回無死満塁で打席は山川穂高内野手。カウント1-2と追い込まれ、強振した打球は勢いなく三塁方向へボテボテの当たり。攻めあぐねた日本ハム有原のフォークボールの上っ面をたたき、一塁へ猛ダッシュ。先制適時内野安打に「ホッとしましたし、監督が汚いヒット打っておけと言っていたので、まさか本当にそういう形になるとは思わなかった」と、主砲らしからぬ内野安打を振り返った。

2連覇を果たした昨季開幕戦とは、打って変わってゴロから幕を開けた。敵地でのソフトバンク戦で満塁弾。同じ満塁のシチュエーションで、1号こそ逃したが決勝打となった。3カ月遅れで迎える今季開幕前の練習中に、好調のきっかけをつかむため、辻監督から「最初は汚いヒット打てよ」と言われた助言通りの殊勲打。「とにかく無観客とはいえ、開幕戦は緊張するんだなと思いました」という山川が、爆発のきっかけをつかんだ。

新山賊打線が開幕戦から真価を発揮。3回までパーフェクト投球に抑えられ、2巡目先頭の新1番スパンジェンバーグの来日初安打から源田の安打、森の四球で4番につないだ。同監督は「源田もうまくいつも通りヒット打ってくれて。(森)友哉があれだけ粘って四球を選ぶ。うちらしいというかね。それでまた山川のボテボテのタイムリー内野安打。明日からまた非常に気分的にもよくなると思います」。開幕スタートダッシュを予感していた。【栗田成芳】