ソフトバンクが逆転勝ちで今季初めて首位に並んだ。松田宣浩内野手(37)が試合を決めた。

2点を追う7回の攻撃。1点を返した後、2死二、三塁。フルカウントまで粘り、鮮やかなセンター返しで逆転V打。お立ち台に上がると「お客さんは聞いといてください。ぼく1人でやります。1、2、3、マーーッチ!」。普段はファンとともに絶叫するパフォーマンスを“独唱”した。

無観客で始まった今季は開幕から出遅れた。だがファンを熱くさせ、声援を受けて熱くなる「熱男」らしく、観客が入るようになった10日以降は別人だ。無観客18試合の打率は1割6分2厘で本塁打もなかった。有観客の試合では11試合で打率3割、2本塁打と勢いづいている。「ファンのみなさんが入ってからは、すごい応援のパワーをもらっていますし、すごい勇気づけられている」。続けて「(開幕からの)3週間分を1年かけて取り戻そうと思っています。まだまだ取り返す時間はある」と前を見た。

1ゲーム差で追っていた楽天が敗れ、同率首位に並んだ。工藤監督は「この時期に首位うんぬんということはなく、1つ1つ積み重ねていくことが大事。日々新たで頑張っていきたい」と冷静。勝ってかぶとの緒を締めた。【山本大地】