今季2度目の先発マウンドに上がった巨人畠世周投手(26)が、痛恨の逆転3ランを浴びて2年ぶりの勝利を逃した。前回登板は勝ち投手目前の5回1死から広島会沢への頭部死球で危険球退場。17年にも阪神上本への危険球退場を経験した。1回は2死二塁から再び右打者ビシエドに死球を当てるなど3四死球で2死満塁のピンチを招いた。

試合前「野球人生をかけていけ」と送り出された宮本投手チーフコーチがマウンドに駆け寄ってきた。「後悔するピッチングをするんじゃないぞ」とゲキを受け、腕を振る。三塁ゴロで無失点に切り抜けた畠は「立ち上がりを修正して投げることはできていました」と言った。2回以降、6回までは内野安打1本に抑える好投。だからこそ7回1死一、三塁から真ん中に入った直球を「ピンチの時こそ厳しく、強く投げる意識が必要」と悔やんだ。

原監督は「ナイスピッチングですよ。いいピッチングはしているけど、勝ち運というものを次は背負ってくるでしょう」とねぎらった。直前の7回1死一、三塁のチャンスでは畠を打席に向かわせたが3球三振に倒れ、追加点を逃した。代打は送らず、畠の続投を選択したが「結果的に、果たしてどうだったか、というところでしょうね」と勝負の分岐点は裏目に出た。

今季2度目の3連敗。3試合で得点はソロによる2点と投手陣を援護できていない。坂本は13打席、丸は18打席無安打が続く。指揮官は「1点じゃ厳しいね。打線がつながらない。1番、2番、3番あの辺がなかなかかき回せない」。9日は今季初のオープナーを導入して流れを変える。【前田祐輔】

◆立て直した畠 初回は直球、変化球ともに制球を欠き27球を要したが、2回からは持ち直した。球威ある真っすぐを軸に変化球を散らし的を絞らせず、2回以降の球数は16→14→9→10→15→18。福田に浴びた3ランは初球スライダー、打たれた2球目の直球ともにど真ん中。悔やまれる打席となった。