ロッテ安田尚憲内野手(21)がまた貴重な経験を積んだ。

追加点がほしい1-0の9回1死満塁。追い込まれ、オリックス山田の外寄り直球に反応した。強振ではなく、合わせたスイングだったが、打球は左翼フェンス手前まで飛ぶ2点適時二塁打に。「バットに当てたら何かあると思って。必死に食らいついていきました」。4番として、試合を決める一打になった。

4番に座り18試合目。マークも厳しくなってきた。9回の適時打までは、オリックス6連戦で22打数3安打、打率1割3分。先発アルバースには手玉に取られた。9回のピンチで3番マーティンが申告敬遠で歩いたのも、オリックスの必然の作戦。そこで「気負いすぎずに」と臨めるメンタルの充実も、日々の学びの成果だ。

チームは3連勝で貯金を3に増やし、本拠地ZOZOマリンに戻る。「そういう(チャンスでの)回数が多くなると思いますし、そこで1本出せるように準備したい」。4番の仕事をこなしても、取り組みは謙虚なまま。経験値は、加速度的に増えていく。【金子真仁】