「右のエース」が真骨頂! DeNA平良拳太郎投手(25)が、7回4安打無失点の好投で1カ月ぶりの3勝目を挙げた。得意のシンカーとスライダーを丁寧に投げ分けて相手打線に的を絞らせず、防御率1・72でリーグ1位に再浮上した。チームは2連勝で今季最多の貯金4。引き分けた首位巨人とのゲーム差を2・5に縮めた。

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1カ月前と同じ神宮で、ようやく3つ目の白星を手にした平良が冷静に喜びを語った。

「うれしいです。試合は作れていても後半に点を取られ、相手の流れでリリーフに託していたので。どうにか後半粘っていきたいと思っていました」。

高卒7年目の右サイドハンド。球種を多く見せる投球術が好投を支える。最速148キロの直球以外は主にシンカーとスライダーの2種類が武器だが、工夫を凝らすことで球種が2倍に増える。右にすべり落ちるシンカーは「右打者に投げる時は少し速めにツーシーム系の感じで。左バッターは抜くようなイメージ」。対となる左に曲がり落ちるスライダーは「(指に)かける、抜くみたいに、スライダーで緩急をつける感じ」という。

警戒する4番村上に対し、4回2死の第2打席は外角低め129キロスライダーで空振り三振。「引っ張りにかかっていたので、シンカーよりスライダーがいいかなと。しっかり腕を振って投げられた」。6回2死一塁の第3打席は、同じ外角低めに138キロシンカーを沈めて二ゴロに仕留めた。「すごいバッターなので、見せていないボールなどをしっかり考えながら。いいゴロアウトが取れたと思います」と納得の表情だ。

規定投球回以上では12球団でただ1人、開幕から登板全試合でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を達成。防御率は巨人菅野を抜いて1位となった。「うれしいですけど、もう1度、自分のピッチングを見つめ直し、改善していきたい」。急成長の25歳が、さらなる向上を目指す。【鈴木正章】