阪神矢野燿大監督は4回6安打3失点降板の先発岩貞に、落胆の色を隠せなかった。

「痛いというか。3連戦の頭で、9連戦の途中で、(岩貞は)中7日。あそこで投手に、しかも初球やろ。あまりにも残念というか。なにか工夫であったり、自覚というのかな。若手というレベルじゃないんだからさ。9連戦で(広島から)みんな移動して来ているとか、そういうのも含めて、それが何か体からにじみ出るというか、そういうのがチームとしてほしいと思うし。あの点の取られ方ってチームの士気が上がらんよな。だって、打撃練習なんかほとんどしてない選手でしょ。それを初球、コンと打たれるんだから」

ため息交じりに振り返ったのは、同点で迎えた4回の痛恨失点シーン。岩貞は1死一、二塁で投手の国吉に初球、高め直球を痛打された。右中間へ勝ち越しの2点二塁打…。もともと、この回走者を背負ったきっかけは、先頭への四球。そして、打席に立つことが少ない救援投手に決勝打を許す展開は何より悔やまれる。矢野監督は「チームに申し訳ないよね」とも。移動日ゲームで、岩貞の奮投への期待も大きかっただけに、まさかのシーンにショックは隠しきれない。

DeNAが連戦途中のため救援陣でつなぐ「オープナー」を選択した一戦。打線も5年ぶりの先発の武藤に3回で1点しか奪えなかったが、4回の失点で主導権を渡したことが大きな痛手だった。4回73球ながら、5回の打席で代打を送らざるを得なかった。矢野監督は岩貞の今後について「ちょっと考えようかなと思ってる。まだ決めてないけど」と明言を避けた。ただ、4試合連続6回未満で交代していることを考えると、2軍降格や配置転換の可能性も否定できない。2敗目を喫した左腕は「抑えるべきバッターを抑えることができず、自分のミスで負けてしまいチームに申し訳ないです」とコメントした。

失策や四球が失点に絡む嫌なパターンが続き、3カード連続でカード初戦に敗戦。4日にスタートした9連戦も2勝5敗で負け越しが決まった。7月28日を最後に連勝もなく、またも借金3。なかなか浮上できないチーム状況を象徴するような夜だった。【松井周治】