今季3戦3敗の阪神藤浪晋太郎投手(26)が、4度目の正直で2年ぶりの勝利を目指す。14日の広島戦(京セラドーム大阪)で先発。今季初登板となった7月23日と同じ相手で、前回ピレラに満塁本塁打を浴びて敗れたリベンジを期す。得点圏での投球で粘り、15年3月を最後に勝ち星のない京セラで復活星をつかみ取る。

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甲子園での投手指名練習に参加した藤浪は、キャッチボールや短距離ダッシュなどで淡々と調整した。だが、頭の中では、広島の各打者を打ち取るプランを描いていたはずだ。今季初登板となった7月23日の対戦では6回2死まで3安打で無失点に抑えたものの、ピレラに満塁本塁打を浴びて負け投手になった。その悔しさを忘れるわけがない。

藤浪は「前回はコントロールに苦しんでいるところでピレラ選手に1発を浴びてしまったので、同じミスはしないようにしたいです」と話し、特に打線の中心となる鈴木誠や堂林らの前に走者をためないことを意識するという。「かき乱してきたり、つながると厄介な打線なので、余計なランナーを出さないように、出しても要所で粘れるようにしていきたいと思います」とイメージする。

今季ここまで3戦3敗と勝ち星がない。勝ちを呼び込むポイントの1つは、得点圏でいかに抑えるかにある。登板した3試合の得点圏での被打率が20打数9安打の4割5分と、勝負どころで打たれるケースが目立つ。通算では2割4分と抑えており、ピンチでも勝負強いのが藤浪。右腕も「得点圏でいかに我慢できるか、踏ん張れるかになってくるので、落ち着いて投げることができればと思います」と、覚悟はできている。

舞台となる京セラでは、15年3月29日の中日戦で勝ってから勝ち星がない。通算9試合で3勝5敗、防御率4・69と打たれ、3連敗中の球場。そんな相性も吹き飛ばすような快投で、今度こそ勝ち星をつかみとる。【高垣誠】