これが主砲の活躍だ。楽天浅村栄斗内野手(29)が古巣西武との一戦で、先制打を含む3安打2打点をマーク。チームを3連勝に導き、ソフトバンクと同率首位の座をキープした。普段からこだわっている打点はこれで52点。大阪桐蔭の先輩、日本ハム中田を抜いて再び両リーグトップに立った。

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初対決の投手も苦にしない。浅村が素直にバットを振り抜いた。「あまり考えすぎずにシンプルに来た球を打とうと思って」。初回2死一塁。カウント2-1からサブマリン与座の124キロシンカーを中前へはじき返した。中堅高木が目測を誤って打球を後ろにそらし、先制の適時二塁打となった。

3-1の3回1死三塁では代わったばかりの平井と対戦。「良いピッチャーなので、とにかく追い込まれる前にしっかり打とうと思ってました」。1ボールから2球目のフォークを強振。食い込みながら落ちるボールにバットは真っ二つに折られたが、しぶとくレフト前へ落とした。

これで52打点。日本ハム中田を抜いて再び両リーグトップに立った。高校の先輩との激しいタイトル争いについて「まだまだゲームもあるし、数字に関してはそんなに意識してない」というが、普段からこだわっているのは本塁打より打点。「普通にヒットを打つよりも、得点圏で1点取るというのを意識している」という浅村にとって、納得の2打点だった。

17日には母校大阪桐蔭が甲子園で東海大相模と対戦する。浅村は「プロ野球を見て、こういう選手になりたいとか、ここで野球をやりたいと思う球児がたくさんいると思う。自分も目指してもらえるような選手に、もっともっとなっていきたい」と、今後も手本となるようなプレーを続けることを宣言。母校の後輩に向けて「悔いのないように試合終了まで(甲子園を)楽しんでもらいたい」とエールを送った。【千葉修宏】