やっぱりこの男が決めた! ソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が、決勝の15号3ランを放った。

チームが7月16日の対戦で黒星を喫し、この日も7回まで1得点に抑え込まれていたオリックス山崎福から、同点の8回に1発を放った。チームは今季2度目の5連勝で、楽天の敗戦で単独首位に。貯金は最多9となった。

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やはり、柳田が打った。難敵の相手左腕を1発で沈めた。同点の8回2死一、二塁。カウント2-2からの5球目、内角低めへの直球を鮮やかにはじき返した。打った瞬間にスタンドインを確信し、走りながら何度もガッツポーズ。「外が来るかなと思ってたんですけど、いい反応ができました。まじでまぐれなんですけど。たまたまああいう場面でそういうことが起きたので良かったです」。1回に両チームが1点を取り合ってから動きのなかった投手戦に、けりをつけた。

前の打席、6回1死での空振り三振が伏線になった。甘く入ったカーブを待ちきれず、豪快にバットが空を切った。「すごい力が入ってるなというのを感じた。打ったろうというのを意識しすぎて、力みにつながった」。冷静な反省から、この日最大のチャンスで逆転の発想が生まれた。「逆に力を抜いていきました。打てなかったらしゃあない、くらいの割り切りでいった。あの三振のおかげで打てました」。柳田ならではの独特の感覚を研ぎ澄まし、失敗を成功につなげた。

打率4割や出塁率5割という夢の数字も現実味を帯び、120試合でも自己最多の36本を上回るペースで本塁打を量産している。まさに過去最高の状態だ。それでも「まだまだシーズンは長いので数字は意識していない。チームのためにいいバッティングができたので、それだけで満足です」と無欲が好結果を生む。

工藤監督も「神がかっているホームラン。ああいう球を打てるのは彼しかいないんじゃないかな、と思うくらい」と絶賛する1発で、チームは今季最長で2度目の5連勝。貯金は最多の9まで膨らんだ。対オリックス7連勝は9連勝した05年以来15年ぶり。単独首位に立ち、このまま走り続ける。【山本大地】