ソフトバンクが最下位オリックスに完敗。連勝が5で止まった。7投手の継投の前に打線は2得点しかできなかった。だがその中で、ウラディミール・バレンティン外野手(36)が今季初の猛打賞。4日楽天戦以来、自身の出場7試合ぶりに9号ソロ本塁打も放ち、上昇気配を見せた。

バレンティンは2回に遊撃右を抜く中前打。5点を追っていた4回1死は、低め直球をとらえバックスクリーン左にスタンドインさせた。「久しぶりにいい打球が打てました」。ベンチで仲間たちから祝福を受けると照れくさそうに笑い、両手をクルクル回す「ピーポー」のポーズを心なしか控えめに披露した。

8回にも右翼へ二塁打。1試合3安打は移籍後初(出場44試合目)で、悩める大砲の打率は7月16日以来、約1カ月ぶりに2割を上回った。「今日はチームが負けてしまったので、チームの勝利につながる打撃ができるように、調子を上げていきたいです」。この日の1本で2桁本塁打に王手をかけ、通算297号で大台の300本塁打にも残り3本とした。

来日が遅れたグラシアル、デスパイネが14日から2軍で実戦復帰した。工藤監督は「日曜日(16日)には何らかの判断をしたい」と話しており、早ければ来週18日からのロッテ戦(ZOZOマリン)から1軍昇格する可能性もある。厳しい夏場の戦いに向けて、バレンティンが本来の姿を取り戻せば、3大砲が並ぶ超強力打線が完成する。【山本大地】