中日の新外国人ヤリエル・ロドリゲス投手(23)が15日、来日初勝利を挙げた。巨人打線を相手に7回6安打1失点。今月支配下登録を勝ち取ったばかりのキューバ人がジャパニーズドリームへ1歩を踏み出した。

自己最速タイ156キロの直球と、スライダー、チェンジアップのコンビネーションでねじ伏せた。4回無死満塁の大ピンチも吉川尚の適時打による1失点だけで切り抜け、7回まで力投。9回を同じ現役キューバ代表のR・マルティネスが締めると、ハグしてからウイニングボールを受け取った。

「本当にうれしい。(この勝利を)キューバにいる両親、婚約者に伝えたい。ボールは両親に渡したいね」

3日に育成契約から支配下登録され、9日の巨人戦(ナゴヤドーム)で来日初先発。7回1死まで無安打無得点に抑え、6回1/3で2安打2失点の鮮烈デビューを果たしていた。巨人戦2戦目での初金星に与田監督も「ピンチでも慌てることがなかった。素晴らしい」と最大級の賛辞を贈った。

外国人初の新人王獲得にも意欲を見せるロドリゲスの、母国でのあだ名は「ムニエコ」(スペイン語で人形の意味)。ホラー映画「チャイルドプレイ」の人形チャッキー似からつけられた。28日からの巨人3連戦(東京ドーム)も先発濃厚。首位巨人の背筋を凍らせる快速右腕が竜投に加わった。【伊東大介】

◆ヤリエル・ロドリゲス 1997年3月10日、キューバ生まれ。19年のプレミア12キューバ代表。与田監督自ら獲得に動いた右の剛腕。当初の育成契約から、今月3日に支配下へ昇格。今月行われた12球団代表理事会で、新人王の資格申請が承認された。186センチ、97キロ。右投げ右打ち。

▽中日郡司(先発マスクでロドリゲスを好リードし、8回にプロ初犠飛)「最低限の仕事をしようと必死でした」

▽中日福(8回1死一、二塁からリリーフし後続を切る好投)「集中し過ぎて、余計なことを覚えていない。郡司が勇気を持って出したチェンジアップのサインに応えられ良かった」