ヤクルト山中浩史投手(34)が今季初白星をつかんだ。5回を64球で被安打5の2失点。18年9月15日阪神戦(甲子園)以来、約2年ぶりの勝利を挙げた。15日にノーヒットノーランを達成した小川の流れをそのままに、チームも5カードぶりの勝ち越しとなった。

歴史的快挙を成し遂げた後輩の姿が、山中に勇気を与えた。小川の大記録は、テレビ観戦。「チーム(メート)で初めてノーノーを見られたので、すごく感動した。スーパーピッチャーだなと。あいつの頑張りも見ているので、報われたな、おめでとうという気持ちでした」。DeNAの強力打線に果敢に立ち向かう攻めの姿勢を“バトン”として受け取った。初回は制球に苦しみ先頭神里からいきなり3連打を許したが、なんとか最少失点でしのいだ。2回以降は立て直し、ボールを低めに集中。フライアウト9個、ゴロアウト6個と打たせて取る持ち味を発揮した。

打撃にも好影響があった。第1打席はファウルで8球粘った末に左飛。4回1死三塁で迎えた第2打席では四球をもぎ取り、主軸につないで追加点を生んだ。「小川もすごくいい、濃い打席だったので、負けないように。小川の意志、流れを受け継いだというか、僕も粘って粘って、自分ができることをやれた結果」と笑顔で振り返った。チームは8月に入り2度目の連勝で、3位阪神とゲーム差なし。夏の追い風に乗って、燕が高く舞い上がる。【保坂恭子】

▽ヤクルト高津監督(9日にDeNA平良に敗戦しており)「打線も、山中も、先週のことが頭にあって、しっかり研究した。早めの継投を考えていたのでいつでも代える用意はしていたが、山中に勝たせたいという思いがあった。ナイスピッチングだった」