8月18日は「高校野球記念日」。智弁学園(奈良)時代に甲子園でも本塁打を放った巨人岡本和真内野手(24)が、リーグ独走の17号ソロをマークした。0-0の4回に左中間へ先制&決勝のアーチ。母校も出場した「甲子園高校野球交流試合」は17日に幕を閉じたが、かつての球児たちが、真夏のプロ野球を熱く盛り上げている。

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かつては「智弁学園」のユニホーム姿で、高校野球ファンを沸かせた。86回大会のセンバツ。1回戦(対三重)で大会タイ記録の1試合2発を放ったのは、岡本だった。あれから6年。今や巨人軍の「4番」を張る「2代目若大将」。舞台は甲子園ではなく、東京ドーム。バットも木製に変わった。変わらないのは、野球への情熱。進化し続けるのは、美しい放物線だ。

0-0の4回2死。6日に3打数無安打に抑えられた阪神高橋。カウント2-2からの6球目は、抜けたツーシーム。第1打席で空振り三振に片付けられた勝負球を確実に仕留め、左中間スタンドへ放り込んだ。リーグ独走の17号ソロは、チーム初安打。「無安打だったというのはあんまりそこまで意識もしなかったですし」。同じ轍(てつ)を踏まないのが主砲だ。

105年前。1915年(大4)8月18日。大阪・豊中球場で第1回全国中等学校優勝野球大会の開会式が行われた。第10回から会場は甲子園球場となり、1948年(昭23)から全国高校野球選手権大会となった。岡本は96回の夏の甲子園に出場。初戦で2安打1打点0本塁打も、チームは敗れ、涙をのんだ。母校も出場した「甲子園高校野球交流試合」は17日に閉幕したが「高校野球記念日」と呼ばれる18日、高校通算73発の男が、大きなアーチを描いた。

本塁打だけでなく、43打点はヤクルト村上と並びリーグトップの数字。リーグ2冠に君臨する24歳は「まだあんまり暑いって感じてないんで」と真夏でも、涼しい表情さえ浮かべる。熱いプロ野球を盛り上げているのは、かつての球児たちだ。【栗田尚樹】

巨人原監督(早出練習から打ち込む岡本について)「懸命にグラウンドにいち早く来て打っている姿というのは頼もしく思いますね。その分良い方に出ていくと思いますし」