ソフトバンクが、3位に転落した。相性の悪いロッテ相手に先発東浜巨投手(30)が5回9安打3失点で降板すると、2番手以降の救援陣が乱れて完敗。2ケタ10四死球を与える投壊だった。楽天が勝ったため、一気に3位に転落。ZOZOマリンではついに引き分けを挟んで6連敗と、呪縛は続く。立ちはだかる大きな壁を、自らぶ厚くしてしまった。

   ◇   ◇   ◇   ◇

「呪縛」を解く以前の問題だった。先発東浜をはじめ、ソフトバンク投手陣が2ケタ10四死球を与える「投壊状態」で自滅した。東浜が5回で4四死球。6回からの高橋礼が4四死球、4番手奥村が2四死球。全投手5人が許した14安打と合わせると、24出塁を許したことになる。3回から毎回失点。初回から1回も三者凡退がなかった。これでは勝てるわけがなかった。

工藤監督 四球はヒットと同じ。仕方ない四球もありますが、もったいない。ユニホーム着て、球場に来るからには戦闘モードにならないといけない。悪いときもあるが、少しでもよくするための準備も大事だ。私もしっかりアドバイスしていかないといけない。

ZOZOマリンでは、昨季が2勝10敗。昨年から続く連敗がこれで6連敗(1分け含む)となった。このロッテ遠征4試合で与えた四死球は31。東浜も「ボール球が多く球数が増えてしまい、5回しか投げることができなかった。自分自身、最近の試合は長いイニングを投げられてないし、ここ数試合のチームの状況を考えても、もう少し中継ぎの方の負担を減らしたかった」と下を向いた。対ロッテの戦績も、1分けをはさんで連敗は5まで伸びた。

不振のバレンティンを2軍に降格させて、デスパイネを1軍に昇格させたが、3打数無安打。打線のテコ入れ策も、実を結ばなかった。8回守備では柳田の本塁送球が、珍しく捕手の上をはるかに越えて7失点目を献上してしまった。

試合前には王球団会長が「鬼門」に苦しむナインを激励に訪れたが、結果で報いることはできなかった。工藤監督は「まだ(シーズンは)半分も終わってないし、立て直さないといけない」と唇をかみしめた。ZOZOマリンの「呪縛」を解く前に、自らを見つめ直す必要があるのかもしれない。【浦田由紀夫】