日本ハム杉浦稔大投手(28)が、西武11回戦(メットライフドーム)で自己最多5勝目を手にした。昨季から12イニング連続無失点と好相性だった西武打線を相手に、5回まで0を並べ、6回途中4安打3失点。13年ドラフト1位でヤクルトに入団し7年目、さらなる飛躍の時を迎えている。

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プロ7年目で、壁を越えた。杉浦が、自己最多5勝目を挙げた。5回1/3を投げ4安打3失点。息切れを恐れることなく、初回からエンジン全開で挑んだ。「今日は野手の方々がこれだけ点を取ってくれたので、勝てた試合だった。野手の方に感謝です」。昨季から続いていた対西武の連続無失点は17イニングで止まったが、味方打線の援護に力をもらった。

冷静な表情の裏で、強気な姿勢を崩さなかった。4与四球も、長打力ある打線に攻めの投球を貫いた。「振ってくる打線なので、ビビッてバランスが崩れるってことがないように」。最速は140キロ台にとどまり、本調子ではない中、最低限の仕事を全うした。

悔しさを糧にした。前回19日楽天戦は、今季最短3回でKOされた。要因となったフォームの崩れを、キャッチボールを通して徹底的に修正。同じ轍(てつ)を踏まないよう、念入りに調整してきた。チームトップタイの勝利数を挙げている先発の軸として、使命感は増している。栗山監督は「ちょっと心配な感じでいっていたけど、よく粘ってくれたね」と評価した。

チームは3位タイに浮上。杉浦は「先発として試合を作ることと、離脱することなく最後まで戦い抜く。勝ち星はチームの状態がよければついてくると思うので、そこはあんまりこだわらず、しっかり自分の仕事に集中したいと思います」。地に足着けて、勝利に向けて右腕を振っていく。