17年から京大野球部でコーチを務めている近田怜王さん(30)が、9月から助監督に就任する。報徳学園(兵庫)からソフトバンクに入団。12年に退団後はJR西日本に入社し、社会人野球も経験した。アマ、プロ両方の世界で過ごした経歴を生かし、17年からボランティアという形で京大野球部の指導に貢献してきた。

近田さんは現在、JR西日本で車掌を務めているが、9月から期限なく京大野球部に出向する。助監督就任の運びは、京大側が部員の増加やこれまでの近田さんの部への功績を見込んで、昨秋のリーグ戦が終了した11月頃に依頼。JR西日本野球部総監督・後藤寿彦氏(67)が京大・青木孝守監督(66)と岐阜高の先輩、後輩という縁もあり、合意に至ったが、コロナ禍などの影響でタイミングが合わず現在に至った。

近田さんは、9月からは毎日グラウンドで指導にあたる予定。青木監督は「社会貢献として承諾いただけたのかな、と思います。助監督になってもらうことでいろいろアドバイスがもらいやすい。(性格が)明るいし、指導を無理に押しつけたりすることもない。近田君が来ることで、投手に技術的なことや、心の持ち方を教えくれるのも大きい」。これまでは投手陣だけでなく、守備走塁など多岐にわたって部の底上げに貢献してきたが、より深い指導にあたることができるようになった。秋季リーグ戦が開催されれば、ベンチにも入ることになる。「選手との距離が近いので、寄り添ってくれることに期待してます」と兄貴分的な役割にも期待を寄せている。

京大野球部は、昨年の秋季リーグで6大学中これまでで最高の4位。より一層の躍進が期待される。

 

◆近田怜王(ちかだ・れお)1990年(平2)4月30日生まれ、兵庫・三田市出身。報徳学園では08年の3年夏に甲子園8強。最速147キロを武器に、同年ドラフト3位でソフトバンク入り。入団から3年間の登録名は「怜王」。1軍出場はなく、12年限りで退団した。2軍投手成績は通算33試合、79回1/3、3勝6敗。野手として2軍で打席に立つことはなかった。JR西日本では投手として3年間プレーした。左投げ左打ち。