日焼けした顔が少しばかり精悍(せいかん)さが増した。ソフトバンク先発の武田翔太投手(27)が今季初登板でうれしい初勝利を手にした。

7回102球を投げ散発5安打1失点。「初回はすごく緊張しました。野手の皆さんが早い回から点を取ってくれたお陰で、回を追うごとに落ち着いて投げれるようになり、自分らしい投球ができたと思います」とお立ち台で白い歯をこぼした。

初回。いきなり1点を失った。2死三塁から中田に151キロの直球を右前に運ばれた。しかし直後に味方打線が大量5点をプレゼントしてくれ、その後も小刻みに加点。久々の1軍マウンドも動揺することなく腕を振ることができた。

昨年秋に右肘にメスを入れた。白星を手にするのは9月1日の西武戦以来、約1年ぶり。リハビリ中はバランスを考え左投げでも練習。自宅にある楽器のドラムセットに座り、スティックも振ってリズム感も養った。炎暑の2軍戦では6試合で2勝1敗。8月は15イニング無失点の数字を残し、本拠地マウンドに戻ってきた。チームは60試合目を6連勝で飾り、貯金12でがっちり首位ターン。背番号「18」が好調チームにまた強烈なフォローの風を吹き込んだ。【佐竹英治】