広島のドラフト1位森下暢仁投手が7回6安打2失点、8奪三振と力投した。1点リードの最終回、守護神フランスアが1死一、三塁から梅野の内野ゴロで登板15試合ぶりに失点し、勝ち星が消滅。

森下はベンチで肩を落とし、苦笑いを浮かべた。だが、チームは9回に上本の千金打で今季初のサヨナラ勝ち。右腕は「やっぱりうれしい。カード頭を取れたので、チームにとっても大きいと思う。勢いに乗っていけたら」と喜んだ。

虎キラーぶりをいかんなく発揮。3戦3勝と好相性の相手に、低めに制球された最速153キロの直球とカーブのコンビネーションなどで緩急をつけた。4回には木浪、陽川、サンズから圧巻の3者連続奪三振。「我慢してとにかく逆転されないように意識した」という7回には大山に1発を浴び、1点差に迫られた。だが2死二塁の同点のピンチで代打福留を外角高め152キロ真っすぐで空振り三振に仕留め、窮地を脱した。

25日に誕生日を迎えた右腕の23歳初勝利は、お預けに。佐々岡監督は「2点は取られたけど、粘り強く7回を投げてくれて合格点。だからこそ勝たせてあげたかった」と悔やんだ。黄金ルーキーが劇的勝利を呼び込んだ。【古財稜明】

▽広島坂倉(2回に3号2ラン。捕手として森下を好リード)「カーブを有効に使いながらストレート主体に組み立てることができました。最終的にチームが勝ってよかったです」