BCリーグの主役は「栃木の林昌勇」だ。BC・栃木の最速153キロサイド右腕、石田駿投手(23)が、3点リードの4回に登板し、1イニングを1安打1三振の無失点投球。この日の最速は150キロを計測し、27球中13球が145キロ以上。「感じとしては良くなかったが、思った以上に球速が出ていた」と振り返った。

九産大時代は公式戦出場なし。実戦経験が足りなかった分、今季栃木入りして急成長を遂げた。「投げ方の意識が変わって、球速が上がった」。縦に体を回転させることを意識すると、腕の振りが改善し、最速を8キロ更新。無名だった学生時代から1年でドラフト候補に躍り出た。

横投げから150キロを超える直球を繰り出す姿は、元ヤクルトの林昌勇をほうふつとさせる。同じ本格派サイドとして、普段から動画を見て参考にしている。今秋ドラフト候補は「林昌勇投手のように豪快に投げられたらいいなと思います」と目を輝かせた。

チームには8月28日に川崎宗則内野手(39)が入団合意。1日には西岡剛内野手(36)との契約更新も発表された。選手兼任コーチには元ヤクルトの成瀬と飯原らも在籍し、話題性が豊富だ。今秋のドラフト候補は「今年はBCリーグが注目されているのでチャンスの年」とプラスに捉える。念願のNPB入りへ向け、アピールを重ね続ける。【湯本勝大】