阪神が延長10回、最下位ヤクルトに痛い競り負けを喫し、連勝が3で止まった。安定感の光った岩貞祐太投手(28)は4戦連続登板を考慮して温存したもようだが、5番手馬場皐輔投手(25)が決勝点を献上した。首位巨人とのゲーム差は7・5に開き、6日にも自力V消滅の危機に立たされた。救いは絶好調の4番、ジェリー・サンズ外野手(32)の一時同点の14号2ラン。来日初の3戦連発で希望をともした。

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救援陣が崩れ、阪神が延長で競り負けた。暗転したのは2-2で迎えた10回だ。5番手馬場がヤクルト打線を抑えられない。1死一、三塁のピンチを招くと山田哲に勝ち越し犠飛を献上。その裏攻撃陣が1死一、二塁のチャンスを作ったが、近本が遊ゴロ併殺でゲームセットとなった。もう少し早く打線がつながれば違った展開に…。「タラ」、「レバ」を嫌う矢野監督は「まあ、もちろん(そう)」と言葉をのみ込んだ。

過去4勝7敗のサブマリンに、今季初対戦のこの日も手こずった。山中に6回まで2安打。4回には1死一、二塁の好機でサンズと大山が凡退。7回にようやくサンズの2ランが飛び出したが、あとが続かなかった。「丁寧に投げられたり緩急を使われたりしてるところで、みんなタイミングが合ってなかった。うまく投げられたっていうのはもちろんあるにしても、何とかしないと。そこらへんは課題」。指揮官の言葉にはもどかしさがにじんだ。

ブルペン陣のやり繰りも悩ましい。この日はガルシアが先発。外国人枠の関係で、9ホールドのガンケルはベンチ外だった。13連戦のまだ2戦目。安定感が光る一方、4試合連続登板中だった岩貞の投入も簡単ではない状況だ。矢野監督は「ピッチャーに関してはみんなよく頑張ってくれたんじゃないかな」と、責めることはないが、連戦が続く中で苦慮するポイントだ。

2位阪神の連勝は3で止まり、首位巨人とは7・5ゲーム差に拡大。早ければ6日にも自力Vが消滅する危機に陥った。矢野監督は「一戦必勝なんで、それしかないので。先を考えるとどうしても連戦とかなるし、何とか明日は打線が点取ってね、ちょっとピッチャーを休ませるぐらい、打線が点を取ってくれたらなと思います」と力を込めた。セ界の火は消せない。4日からは直接対決4連戦が控える。何としても今日勝って、巨人戦にはずみをつけたい。【桝井聡】

▼阪神は最短6日に今季の自力優勝の可能性が消える。3日ヤクルト戦●で4~6日巨人戦●●●なら、7日以降の54試合に先勝しても最終成績は84勝33敗3分けで勝率7割1分8厘。巨人は阪神戦の11試合に全敗しても、他球団との44試合に全勝すれば7割2分6厘となり、阪神を上回るため。