高めの真っすぐに体が反応した。同点の延長10回1死二、三塁。ヤクルト山田哲人内野手の打球は中堅フェンスぎりぎりまで天高く飛んだ。「追い込まれたので、どの球でも対応できるように。バットに当てることだけ考えました」。勝ち越しの犠飛となり「走者をかえす打撃ができたので、100点満点です」と笑った。

9回以降に勝負が決まる連日の接戦。負ければ5カード連続の負け越しが決まってしまう。前夜はサヨナラで落とした。高津監督は「こういう僅差の試合をいかに取れるか、昨日みたいに1発食らって終わるのか」。中軸から始まる9回に守護神石山を投入し、延長戦に望みをつないだ。

3試合連続の3番で起用された山田哲は3回にもチーム唯一の適時打を放ち、2打点を挙げた。「今日みたいな粘り強い野球。これがスワローズの野球だと思う。続けて明日からも頑張りたい」。1点を守り、1点を奪い、1つでも上位へ。明日も明後日も、それを積み重ねる。【鎌田良美】