表情は淡々と、心は熱く内角を攻めた。ロッテ小島和哉投手は5回2死満塁、日本ハム松本を内角直球2球で追い込む。「田村さんにも柿(沼)さんにも強気でいこうと言われていた。低く投げることと、気持ちを込めて投げることを意識しました」。3球目、この日最大のピンチを外角チェンジアップで遊ゴロに打ち取った。

自身約2カ月半ぶりの本拠地勝利で、チームを今季2度目の6連勝に導いた。ZOZOマリンでは6月24日の白星を最後に4連敗していた。「朝グラウンドに来て記事を見て、ああこんなに負けてるんだと思って。勝てるように頑張りました」。今季13失点している鬼門の初回を3人で切り、直近3試合はいずれも7回を2失点以下。抜群の安定感で“連敗”を止めた。

涌井に投げ勝った8月26日の楽天戦から、心技体がかみ合う。「気持ちと体の動きがマッチして試合に入れている。早くグラウンドに出て動いたり、遠投したり、球数は増やしてないんですけど」。自分を知って、強くなる。【鎌田良美】

▽ロッテ井口監督(今季16度目の1点差勝ち。6連勝でソフトバンクとともにリーグ最速40勝。貯金最多12)「よく言えば接戦に強い。点が取れてないと言えば取れてない。犠飛(が打てなかった)の場面も2回あった。そういうところをものにしていかないと、強いチームに勝てない」

▽ロッテ藤岡(5回の先制2点二塁打が決勝打に)「小島とロッカーがすぐ隣というか、横なんですけど、朝来たら『ホームでは勝ててないんですよ』と言っていた。小島に勝ちが付いてよかったです」