広島床田寛樹投手が7回1失点、自己最多9奪三振の力投で、今季2勝目を挙げた。最速149キロの直球を軸に、ストライク先行の投球でDeNA打線をねじ伏せた。7月11日中日戦以来、2カ月半ぶりの勝ち星に「正直ホッとしています」。チームの連敗を4で止め「僕が負けていつも誰かが止めてくれていた。今度は自分が止められるようにと思っていた」と振り返った。

圧巻の「見逃し」奪三振ショーを展開した。5回、先頭の梶谷を手始めに、ソト、オースティン、そして4回先頭の佐野といずれも低めの真っすぐで、4者連続の見逃し三振を奪った。1死満塁と最大のピンチを迎えた7回は、ソトを低めの変化球で併殺に仕留め、先発の役割を果たした。

昨季は7勝を挙げた左腕も、今季は試合前まで1勝6敗。不振から2軍落ちも経験した。これまでブルペンではイニングを指定して投げていたものを、初回から「通し」で球数を投げ込んだ。出力増を目的に、遠投を取り入れるなど、試行錯誤を繰り返してきた。

本拠地では入場制限が緩和された初日。今季最多1万5035人が駆けつけた試合で久々の快投だった。佐々岡監督は「春先は期待している中で、ふがいない投球をしていた。今日みたいな投球ができることを自信にして頑張っていってほしい」とたたえた。苦しみを味わった分、ここから巻き返す。【古財稜明】