4年秋で、うれしい初勝利だ。立正大・倉田希投手(4年=常総学院)は「素直にうれしいのと、少し時間がかかったかな、とも思います」と照れながら明かした。先発糸川の後を受け、4-4の6回から登板。延長10回までの5イニングを3安打無失点に抑え、初めての白星を手にした。

タイブレークでも落ち着いていた。10回表の攻撃で2点を勝ち越してもらい、その裏の投球。無死一、二塁から始まったが、東洋大は代打を送ってきた。犠打狙いの相手に対し、倉田は「強い球を投げれば。コースうんぬんではなく、直球を強く」とサイド気味に右腕を振った。打球を殺させず、一塁手が三塁送球で送らせなかった。さらに、一塁転送で併殺。一瞬にしてピンチを防ぎ、次打者を三邪飛で締めた。

走者を出しても点を与えなかった。「あと1本を出させない。糸川にあって、自分に足りないものは、そこでした。それが一番、成長できたかなと思います」と胸を張った。

この日にプロ志望届を提出することも表明。「負けない投手になりたい。今日みたいに粘りながら、ホームにかえさせないように」と抱負を語った。その姿を、坂田精二郎監督(46)は「成長したね!」とうれしそうに見ていた。