巨人に晴れ間が差し込んだ。3試合ぶりに「3番・遊撃」でスタメン復帰した坂本勇人内野手(31)が復帰即、適時打を放った。

キャプテンの戦列復帰を祝うように、打線も2試合連続の2桁安打で応えた。今季の中日戦の勝ち越しを決めたチームは両リーグ最速で60勝に到達し、貯金も30。2位阪神が敗れたため、マジックは12に減った。

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午前中まで大雨だった名古屋は、午後から徐々に雨脚が弱まった。試合開始直前。何かを告げるように、雲の隙間から晴れ間が差し込んだ。巨人ファンの前に登場したのは「サンシャイン・ハヤト」だった。「3番・遊撃・坂本」。6日DeNA戦を右足の張りで途中交代。7、8日のDeNA戦2試合を欠場したキャプテンが、3試合ぶりにスタメンに名を連ねた。どことなく無機質なナゴヤドームが、パッと明るくなったようだった。

日を身にまとった。3点リードの5回2死二、三塁。2打席連続で三振し、巡ってきた第3打席。ロドリゲスの高め150キロ直球を中前へはじき返した。5日阪神戦まで8戦連続安打を記録していた男は「自分のできることは準備してきたので変な力みもなく試合に入れました」と復帰戦で2点適時打と存在感を大いに示した。原監督も「1本出たし。体調も良くなってきたみたいですから。安心していいんじゃないですかね」と穏やかな表情で見守った。

キャプテンの復帰は、打線にも光を照らす。ウィーラーは11号ソロを含む3安打3打点。ベンチに晴れやかな笑顔が広がった。5回に適時打を放った松原も、太陽のような笑みをこぼし、仲間と喜び合った。背番号「6」の輝きに負けじと、打線が2戦続けての2桁安打と連動。12球団最速で「60」勝に到達した。2位阪神が敗れたため、優勝マジックは「12」。連覇への道のりは視界良好。坂本は「目の前の1試合1プレーに集中してやるだけです」。日本一奪回の気流に乗っていく。【栗田尚樹】